フライラインの先っちょ! Over the Tip .

えー、毎日暑いですが皆様いかがお過ごしでしょうか。世間じゃスポーツ関係の告発とか膿出しとかで騒がしいですが、ああいうのってやっぱりアレなんですかね。東京五輪に向けて2020年までに何とかしちゃおうっていう動きなんですかね。来年は元号が変わる=おめでたいということで、平成のうちにややこしそうなことは済ませようってことかな、などと思ったりしている男、saltwater-ffです。こんにちは。やー、お盆休みまであと少しですね。

本日は過去の大海原の記事を再編集してお送りするプログラム。そろそろシイラやカツオといったオフショア関係にお出かけの向きもいらっしゃると思いますので、フライライン先端部の加工についてまとめた記事をお届けします。

最近のフライラインは新品の状態で先端がループになったものがありますが、あまり過信してはいけません。シーバスやクロダイ程度ならそれほど問題ないですが、シイラやカツオ、マグロ、ブリ系青物といったオフショア〜な魚たちの瞬発力と持久力を甘くみてはいけません。

まぁ多くのフライラインの引っ張り強度が30〜40lbなので、強靭すぎる必要はないとも思うんですが、それでも準備をしっかりしておけば、いざ大物がヒットした時の安心感が違いますからね。ノットやリグはアングラーの性格と志を表すものだとも思いますし、もしかすると人生に一度かもしれないビッグフィッシュを後悔しないためにも、しっかりとした準備をおすすめします。

それでは本編の記事をどうぞ(以下、過去記事を加筆、再編集したものです)。


 

えー、このウェブログを開始してしばらく経つのですが、ちょっとリクエストがあったので何回かに分けてラインシステムとかその関係のお話をしていこうと思います。前もって書いておきますが、ここで公開しているのは私個人のやり方ですので、これが絶対正しいとかそういうつもりはさらさらありません。自分のやり方を公開するのは恥ずかしくもあるのですが、参考になる方がいれば幸いですし、もっと優れたやり方をご存知の方がいらっしゃれば、私も学ばせていただこうと思っています。海のF.F.は謙虚さが重要!(笑)ですから。
ってなわけで、1回目はフライラインの先っちょをどう処理しているかのお話です。多くの方がフライラインの先端にループを作っているかと思いますが……その作り方もいろいろあっておもしろいものです。私もいろいろ試してきましたが、現在のところ下図のようなループの作り方で落ち着いています。ブレイデッドコアが内蔵されているフライラインであれば“ともじめ”できるので、強度的にもかなり強いと思います。あとライン番手にかかわらず取り付けられる点もいいですね。
「オレのフライラインの先っちょはもっとスゲーぜ!」という方がいらっしゃったら、ぜひ教えてくださーい。情報交換いたしましょう!

かぶせてスレッドで留めるだけのブレイデッドループは、過去にスッポ抜けしたことが数回あってからこの方法以外では使わなくなりました。最後はケブラースレッドとかで留めるのを忘れずに!

ちなみに以前はシーバスやクロダイで使うラインもすべてこの方法でループ加工していましたが、ここ5〜6年はシンキングラインで使うくらいで、フローティングラインはネイルノットを使うことがほとんどです。フラットのクロダイ釣りでは、特にラインが着水した時のインパクトを小さくしたいので……。

っと、ここからはステップバイステップで解説します(大したことじゃないですが)。慣れれば10〜15分くらいでできますが、コーティングが乾かす必要があるので、少なくとも釣行の2、3日前にやっておくのがオススメです。

■用意するもの■
・市販のダイニーマ等(私はよつあみのダイニーマノット15号を使っています)
・フライライン(ブレイデッドコアがあるもの)
・ハサミ(PEライン用とかがベスト)
・スレッダー(タイイングで使うやつ)か、長めのタッピ針(ググろう!)
・アセトン(タイイングで使うでしょ?)
・ケブラースレッドか、0.6号くらいのPEライン(タイイングで使いませんか?)
・柔軟性接着剤(セメダイン・スーパーX2、コニシ・ウルトラSU等)
・瞬間接着剤


【STEP1】
市販のダイニーマを15~20cmほどカットします。PEライン用のハサミなら、ダイニーマやケブラースレッドも容易にカットできるので、1丁持っていて損なしです。値段はピンキリですが、使用頻度が低い方は安いやつで問題ないでしょう(釣具店で300円前後で売ってます)。


【STEP2】
ダイニーマの中芯を抜き、スレッダーで片方の先端にループを作ります。タッピ針という専用ツールも売られていますが、通すだけならスレッダーでも大丈夫です。2重になる部分の長さはお好みですが、短すぎると弱くなる(と思う)ので、2~4cmくらい重ねておくといいでしょう。


【STEP3】
次はフライライン先端の加工です。PVCコーティングを剥がし、ブレイデッドコアを出します。剥きたい部分をアセトンに1~2分浸すと、コーティングを剥がしやすくなります。最近アセトンを使う方が減っているのか、見かけなくなってきました。アセテートフロスでピューパのボディを作って、アセトンで溶かしてやると、なかなかイイ具合になるのにな~とかなんとか、余談でした。

以前はフライショップで普通に手に入ったアセトンですが、最近は取り扱いが減っているそうです。アセトンなしで剥き剥きしてもいいんですが、コアを傷めやすいので、やはりアセトンを使うのがベターだと思います。アセトンは画材屋さんで手に入ります。ただ画材屋さんで売ってるのは量が多いんで、お友達と分けるといいんじゃないでしょうか。※アセトンは特別産業管理廃棄物なので廃棄する時はお住まいの自治体のガイドラインに沿って処理してください。アセトンは非常によく燃えるため、古新聞とかに染み込ませてバーベキューの炭の着火剤にするという裏技もありますが、くれぐれも自己責任で。


【STEP4】
STEP2で作ったダイニーマのループ側からスレッダーを通し、フライラインのブレイデッドコアをスレッダーに挟みます。ブレイデッドコアを挟む場合は先端を少しだけにします(あまり長く挟むと抜きにくくなります)。また、ダイニーマの重ねた部分がほつれないように注意しましょう。


【STEP5】
スレッダーを抜いて、ブレイデッドコアがダイニーマのループの根元に出るようにします。ダイニーマが2重になっている部分にブレイデッドコアが通っていることが重要なので、通っていない場合や、重なりが短い場合はやり直しましょう。


【STEP6】
ここ、けっこうキモです。ダイニーマの2重部分とブレイデッドコアを“とも締め“します。結びは「8の字結び」、「固結び」のどちらでもいいですが、余裕があれば8の字結びで。画像は余裕がないので固結びです(笑)。


【STEP7】
とも締めできているのを確認したら、プライヤー等を使って十分テンションをかけて締めこみます。固結びなら、↑画像くらい小さく締まるはず。結び目を小さくするのは、ガイドとの干渉を低減するだけでなく、フローティングラインの浮力を低下させない狙いもあります。ブレイデッドコアの余りは2~3mm残してカットした後、ライター等で焼き止めし、仕上げに瞬間接着剤を1滴。ここまで出来たら、ループが抜けないかどうか試しに引っ張ってみましょう。他のラインとループトゥルーープで繋いで、ぐぐぐーっと引っ張ってみてください。ガッチリとしていて、抜けなければOKです。
余談になりますが、以前は念のために“とも締め”を2カ所作っていました。しかしフローティングラインの先端をあまり重くしてしまうと、バランスが狂ってしまう恐れがありますし、シンクティップぽくなるのでなるべく軽く(それでいて強靭に)するためにこの方法に変えました。ちなみにシンキングラインはあまり関係ないので、より信頼できる2カ所留めにしています。


【STEP8】
ループはひとまず完成したので、次はその他の処理になります。市販のケブラースレッドでダイニーマを巻き上げます。この時、ダイニーマを十分しごく(リール方向へなでつける)ことをお忘れなく。マイラーチューブのように網目のチューブ構造なので、しごいておかないと、後々ズレてくることがあります。スレッドはテンションをかけて巻きます。コツは2、3回下巻きした後にボビンを勢いよく回転させながら巻くといいです。スレッド巻上げは、のぼり&くだり1往復が基本です。テンションかけすぎて、フライラインに食い込ませて切らないように注意しましょう。
ちなみにダイニーマやケブラースレッドは、海のフライフィッシングに強いお店でないと、ほぼ取り扱われていません。入手が難しい場合は、海のルアー(ジギングとか)に強い釣具屋さんへ行くとだいたい売ってます。


【STEP9】
スレッドを全部で4カ所ほど留めれば、ひとまず完成です。あ、4カ所以上留めてもいいです。このへんはご自由に。巻き上げる幅はだいたい均等になるようしておきましょう。


【STEP10】
実釣にはSTEP9の状態でも支障ないんですが、実際はスレッドがほつれてきたり、岩にこすれて疲弊してくるので、スーパーX等の柔軟性のある接着剤でコーティングしたほうが実用的です。ダイニーマとフライラインの繋ぎ目あたりから、ループまで薄くコーティングしておくと、岩や牡蠣ガラに擦れてもほつれにくくなります。また、コーティングが乾燥するまでの間、ループに何かオモリを付けてぶら下げておくと、↑画像のように先端部分が比較的まっすぐになります。

週末お出かけの方は頑張ってください!

あ、なんか8月5日(日)に多摩川河口(川崎側)にある『RIVER CAFE & TREX  KAWASAKI』でフライフィッシングのイベントがあるそうです。最近注目を集めている多摩川河口のキビレをはじめ、シーバス(ウェーディング&ボート)、メバル等のロコのフライフィッシングを紹介。タイイングデモンストレーション&タイイング体験やキャスティング体験、スペシャル動画の上映等が行われるそうです。

▪️日時/2018年8月5日(日)11〜16時

▪️場所/RIVER CAFE & TREX  KAWASAKI  神奈川県川崎市川崎区殿町3-25-11 東急REIホテル内

▪️料金/無料

※キャスティング体験、タイイング体験のワークショップ参加には事前にメールで申し込みが必要。ワークショップに参加しない方は申し込み等は不要だそうです。

詳しくは

Facebook → TREXKAWASAKI.RIVER CAFE

Instagram → trexkawasaki_rivercafe

で検索してみてください。

それでは、また。