世界ルアー遺産があるとすれば。 Outstanding Universal values.

気がつくともう金曜日。あっという間に毎日が過ぎていくことに、今さらながらビビっている男、saltwater-ffです。こんばんは。「命短し恋せよ乙女」とはよくいいますが、「命短し釣りせよ初老」というのも真実なのかもしれません。我々に残された時間は少ない!(のか?)

 

本日はちょっとルアーの紹介をしたいと思い、キーボードを叩いています。皆さん↓のコレ、ご存知ですよね? コットンコーデルのペンシルポッパーでんがなまんがな。

上の大きいやつがC66。全長約15㎝、重量約28gのデカブツです。下は2018年に新発売となったC64。全長約11.5cm、重量約20g。

まぁビッグベイトというジャンルが確立してしまった現在では、C66であってもあまり大きくない感じですが、以前は他のバスマンから「え、マジでコレ(C66)投げてンの!?」という顔をされたものです。

しかし2007年のB.A.S.S.エリートシリーズでは、C66を使ってハイウェイトを叩き出した選手が2人も出たり、雑誌『BASSER』でランカーキラーとしての実力を紹介されるなどして、一躍脚光を浴びちゃったりするのでした。

かくいう私は、以前から持ってはいたものの、ストレス発散的に大遠投してジャカジャカ巻く程度で、実際にC66でバスを釣ったことはありませんでした。まともな活躍の場というと、夏にシイラ狙いのルアー船でぶん投げる程度でしたが、それでも十分に潜在能力の高さを感じられました(元々海用に作られてますし)。

そんなC66にようやくというか、ついにというか、弟分のC64が登場! 昨年の2月にフロリダのヒロ内藤さんのところで見て、これは絶対に釣れると確信していましたが、やっとこ日本でも買えるようになって嬉しい限りです。

C66もそうですが、C64でもベリー側のフックハンガーがスイベルのままなのがGOOD!  やはりここは回転してくれないと困ります。なぜに困るのかというと、重心がボディ後部、平たく書くとお尻の方がかなり重いので、フッキングした後にヘッドシェイクする系の魚だと、反動が大きくなってフックにかかる負荷が大きくなる=外れやすくなるのですな。

なので、ここをスイベルにすると魚がブンブン暴れてもボディがくるりくるりと回転して負荷を逃してくれるっていうスンポー(経験による推測も入ってます)なのでございます。もちろんエイト環に比べての強度や重量差なんかも考慮されている……かどうかはわかりませんが、ペンシルポッパーといえば、ベリーのフックハンガーはスイベル。コタツといったらミカンくらいの決まりごとだと私は思ってます。

ペンシルポッパーっていうぐらいだから、ポッパーとしての性能面にもふれておきましょう。C66、C64いずれもオープンカップなので、いわゆるポッパーらしい感じではないですが、国内ルアーブランドからサーフJンパー(トップJンパー)とかシャワーBローズとかアイアンMウスとかブラキオSティックとかラフTレイルとかヤーガラPップとか、ざっと思い出しただけでペンシルポッパーにインスパイアされたと思しきルアーがたくさんあります。

まぁ、細かい部分を調整したり、ある部分を特化させるのは日本メーカーの得意技ですからね。どっちがいいとか悪いとかは思いません。ただ並み居るメーカー開発者や契約バスプロ達が素通りできなかった魅力と釣れる要素が、コットンコーデルのペンシルポッパーには凝縮されている証拠だと思います。

もしペンシルポッパーを使ったことがないのであれば、一度だまされたと思って使ってみてください。C66を投げるのが難しければC64で(最大サイズのC67もありますよ)。できれば春〜初夏のグラスエリアを首振りさせながら、ジュボワッ!ジュピッ!ジュボワッ!ジュピッッ!!  てな具合に飛沫を上げていると……ここから先はお楽しみ。

ちょっと話が逸れますが、いわゆる世界遺産ってやつには「顕著な普遍的価値観」というものが求められるそうなんです。じゃ「顕著な普遍的価値観」って何ぞや? というと「誰でも共有できる価値観」というのがシンプルな答えじゃないかと思います。例えば「すごい」とか「きれい」とか「泣ける」とかの人間が根源的に持っている感情に加え、「未来に残したい」とか「もっと多くの人が共有してほしい」と思えるものなんでしょう。

釣具においても、とりわけルアーやフライというジャンルにおいて「世界遺産的存在」は確実にあります。そしてコットンコーデルのペンシルポッパーは間違いなくそれに該当するでしょう。

それでですね、こういう時代を超えた名作が、長く、当たり前のように買えることがルアーフィッシング(バスフィッシング)文化の熟成の証のひとつでもあると思います。

 

週末は連休ですね。寒いですが釣りにお出かけの方は良い釣りを!

それでは、また。