誰がための一冊。 Book for Someone.

ほぼ毎日更新とか書いておきながら、更新がちょっと滞ってしまった男、saltwater-ff です。すみません。いやー、ネタというか下書きはしてあるんですが、突発的な用事が立て続けに入ってしまったりですっかり日が空いちゃって、毎日楽しみに覗きに来てくれている方にはマジすみませんっした!

そんなこんなで大阪北部を中心とした地震があったり(被害に遭われた方々には心よりお見舞い申し上げます)、サッカー日本代表がコロンビア戦で勝利したり、毎日がエブリデイでグローバル世界が回っておりますグーグル先生もグールグル。

でもって本日は『フライの雑誌』がバス&ギル特集ということで、十数年ぶりに自腹購入しました。仕事の関係上、ちょいちょい拝読する機会があったのですが、発行自体が年に2回くらいなので前にいつ読んだかはっきり覚えてないのですが、それはさておき。

『フライの雑誌』といえば、数ある釣り雑誌のなかでも異彩を放ち続ける存在で、骨太かつ偏重気味なポリシーと、他誌にない独特の誌面づくりが印象的です。ちなみに偏重気味と書いたのは褒め言葉のつもりです。というのも雑誌制作の最前線においては、広告主の意向やら業界の空気やら人間関係のしがらみやらに迎合せざるを得ないケースがしばしばあるのですが、『フライの雑誌』においては、それらがほぼ見当たりません。代わりに編集人の堀内氏の好みが反映されることはあるようですが、それは編集人の特権でもあり、読者を見据えたうえでの判断なのでしょうね。

私が勝手に『フライの雑誌』の読者像をイメージすると、渓流魚こそ至高!といわんばかりのトラウトピューリストな方々が思い浮かぶんですが、その方々へ「バス&ギルのフライもイケてるでしょ!」と特集にしてしまうあたり、天晴れというか潔いというか、え?ちょ!ホントに大丈夫!? と余計な心配をしてしまいました。

寄稿された方の中には、ちらほら友人、知人の名前も見られ、皆さん気を吐いていて嬉しい限りです。発売中の雑誌なので中身の詳細については割愛しますが、バス&ギルにぞっこんなフライマン達の「なぜ自分がバス&ギルにハマったか、どういう風に楽しんでるか」みたいな体験談が中心です。

個人的にはもう少し皆さんのフライパターンとか、バス&ギルフライならではのタイイングのコツとか見たかったなーと思いました。まぁ日頃あまり表に出てこない、在野のフィッシングバム達が綴った読み物と思えば貴重ではありますね。

まぁバス&ギルのフライフィッシングは、まだまだマイナーな遊びですし、たぶん今後も大きく脚光を浴びることはないでしょう。そもそも情報が少ないジャンルですし、管理釣り場が整備されているトラウト類に比べると、残念ながら道具を揃えただけでイージーに始められるものでもありません。

これはルアーフィッシングにおいても同じです。1990年代のバス釣りブームから20年以上が経過し、ラージマウスバス、ブルーギルを取り巻く社会環境、自然環境は大きく変わりました。誤解を恐れずに書くと、もはやバス釣りは誰もが簡単に釣れる、入門向きの釣りではありません。地域にもよりますが、独力で最初の1匹を手にするのはハードルが高いです(関東以北ならなおさら)。おまけに外来魚ゆえの制約もあります。

しかし、面白いことに正しく学んで上達していくことで、バスは確実に釣れるようになります。ここにバスフィッシングの奥深さがあると私は思っているので、前述の難しさ&制約を踏まえたうえで、あえてチャレンジする方々のために私も情報を発信していこうと思います。

フライもルアーもエサも、誰もが大手を振ってバス&ギルの釣りを楽しめる。そんな未来に淡く期待して。

『フライの雑誌』第114号本体価格1700円+税で発売中です。

それでは、また!