クリークチャブは死んだのか? Did Creekchub die?

気がつけば5月も第4コーナーに差し掛かってきましたが、この時期Twitterのタイムライン眺めていると、腕っこきの方々の釣果報告があちこちから届いて、みんな釣り好きすギィ!とか思っちゃいますが、まだ火曜日ですからね。週末までガマンガマン……な男、saltwater-ffです。こんばんは。

まぁ、週末つっても土曜日はボランティアで釣り大会のお手伝いに行くので、自分の釣りはできそうもないんですが。それはさておき、本日はバスルアーのお話。

「大海原ブログ」でまともにルアーの話を書くのは初めてかもしれません。まぁこれまで海のフライフィッシングに限定したブログでしたからね。しかしブログポリシーにも書かせていただいた通り、私の釣りの趣向性が変化したこともあり、これからはルアーフィッシングの話も書いていきますよー。まぁ頻度はそんなに多くないと思いますが、私ならではの記事を書いていければと思います。

またしても前置きが長くなっちゃいましたが、皆さんは「クリークチャブ(CreekChub)」という名前をご存じだろうか。少し前からのバスマンであれば、この名を聞いて思い浮かべるのは1932年6月2日に釣られた22ポンド4オンスのラージマウスバスだろう。アメリカ人のジョージ・W・ペリーが、ジョージア州モンゴメリー湖で釣り上げたのは有名な話。その77年後に日本の琵琶湖でタイ記録のラージマウスバスが釣られるとは、当時のバスマンたちは夢にも思わなかっただろう。おっと、話が逸れちゃった。

このジョージ・W・ペリーが世界記録のラージマウスバスを釣ったのは、エサではなくルアー。当時も今もアメリカ国内で大型ラージマウスバスを狙う場合、もっともポピュラーなのが活き餌を使ったベイトフィッシングだが、ジョージ・W・ペリーはウイグルフィッシュという木製の大型ミノーを使った。現代でいうビッグベイトにあたるルアーだ。そしてそのウイグルフィッシュを生み出したメーカーこそ、クリークチャブなのだ。

アメリカ国内においてクリークチャブの名は、世界記録の数に比例して知られている。先述のラージマウスバスに限らず、クリークチャブのルアーは淡水、海水の両方で世界記録となる魚をキャッチしてきた。へドンと並ぶ二大巨頭といっても過言ではないだろう。しかしながら日本国内での認知度や人気はヘドンに遠く及ばない。この現状を苦々しく思っているクリークチャブファンも多いのではないだろうか。

私自身、クリークチャブの大ファンかと問われれば、残念ながら答えはNOだ。しかしクリークチャブというメーカーは、記録魚を獲っただけがすごいのではなく、現在では誰もが当たり前と思っているような“ルアーの常識”を最初に発明、改善してきた先駆者なのだ。私がクリークチャブのルアーを好む理由はここにある。前衛的とも思えるデザインや一見すると奇抜なギミックを取り入れてはいるが、それが単なる見た目の新しさに留まらず、魚を食いつかせることに特化した要素、いわゆる捕食スイッチを入れる効果につながっているところが素晴らしい。

下の写真はクリークチャブのダーター(木製)だが、時々、鋭いダーティングアクションってどういうこと? ダーターの使い方(動かし方)って? という質問を耳にすることがある。こういった質問を受けるたび、クリークチャブのダーターを使ってみればいいのに、と私は心の中で思う。

激しく横方向にスライドするから釣れる? 左右に大きく揺れるから釣れる? そもそもダートとジャークは何が違う? そういったことに対しての答えは確かにある。けれど多分クリークチャブの答えはそんなのどうでもよくて、魚が食いついてきたらそれがいいダートアクションなんだぜ! っていうようにも思える。

現在もPRADCO傘下のブランドとして存続しているものの、流通量は少なくクリークチャブの名を聞くことは少ない。しかし常にイノベーティブなモノづくりをしてきたブランドだけに、新たなクリークチャブ旋風が巻き起こる日に期待したい。