大きなフライフックは自分で加工する。 About hooks that may be the most important.

はい、というわけで暗黒面に落ちそうになってましたが、映画シン・ウルトラマンを観に行って長澤まさみさんの体当たり演技にミョーに元気づけられた男、saltwater-ffです。こんにちは。
観賞前の方もいらっしゃると思うので、シン・ウルトラマンのストーリーについては触れませんが、長澤まさみさんの役者魂のようなものがヒシヒシと伝わってきました。これまで特にファンというわけでもなかったんですが、本作をきっかけに気になる女優さんになりました。彼女が主演しているコンフィデンスマンの映画も観てみようかなー、なんて。
あとはメフィラス星人役の山本耕史さんがよかった。「〇〇、私の好きな言葉です」、「河岸を変えよう」、「割り勘でいいか?」など名言のオンパレード(〇〇には適当な四字熟語とか入れるとGood)で、観賞後はとにかくメフィラスの真似がしたくてウズウズしました(笑)。居酒屋のシーンで、大人のウルトラマンごっこができるのもよかった。
と、シン・ウルトラマンの話はここまでにしておいて、本日はフライフックの話です。

一般的にフライを自作する場合は、市販のフライフックやエサ釣り用やルアー用のハリを流用するわけですが、場合によっては単なる流用では物足りなくなることがあります。たとえばビッグストリーマー。
15〜20cmくらいまでのストリーマーなら#4/0や6/0のフライフックで対応できますが、20cmを超えるようになるとフックの選択肢が一気に狭まります。そこで他の釣り用のハリを模索するわけですが、まずエサ釣り用大きなハリというと、すぐ思い当たるのはマグロ用やイシナギ用などの大きく強いハリです。これらは大勢の漁師さんや釣り人たちが、長年の経験と知恵を注ぎ込んできたものなので、ほぼ完璧な領域に達しているハリなのですが、毛鉤を巻くことを前提にはしていない(当たり前だ)ので、フライフックとしては適さないことが多いです。
個人的に一番ネックになるのが、軸の太さ。エサ釣り用の大きいハリは、総じて軸が太くなる傾向が強いです。大物ねらいなので軸が細いより太い方がいいに決まってるのですが、マテリアルを巻き留めていくとどうしてもモッサリした仕上がりになりがちです。
巻いたフライは当然ながらフライタックルで使うので、あんまり太軸だとフッキングしにくくなります。ほぼ伸びないPEライン+剛竿+ドラグフルロックでガッチーンとアワせるのと、伸びやすいフライライン+フライタックルでアワせるのとではステージが違いすぎます。
なので細軸を選びたいけれど、エサ釣り用は太軸しかないわけです。そこで次に考えるのがルアー用、それもバス釣りで使うワームフックです。ま、釣具量販店に行けば多種多様なワームフックが並んでますから、そこから適当なのを選んで、ちょちょいと使えばいいのではないかと思います。

と、投げっぱなしにするのも申し訳ないので私が使っているフックをご紹介します。
まずは最初にして最強!? オーナーのジャングルワイドギャップ(#3/0〜7/0)です。

このジャングルワイドギャップを伸ばしたり、継いだりして使っておるわけです。参考までに下に大きさ比較の画像を載せておきます。ワームフックはアイの後ろ側がクランク状になっている(ワームがズレ防止のため)ものが多いんですが、まぁ途中で折ってアーティキュレイテッドシャンクを繋いだり、クランクを真っ直ぐにして使うとよいと思います。

せっかくプロが設計して曲げてくれているものを、わざわざ真っ直ぐに戻して使うなんて愚かな行為だというのは百も承知です。ならばどうして?と思われるかもしれませんが、これが私のフライフィッシングだからです。もしこの記事を読んで自分もやってみようと思われても、あくまで自己責任でお願いします。

話のついでなのでクランクを真っ直ぐにする方法を……フックには焼きが入っているので、そのまま力づくで伸ばそうとすると、高確率で折れます。そこで焼鈍し(やきなまし)をして、ヤットコで挟んで伸ばせばそれなりに真っ直ぐにできます。

焼入れ(やきいれ)というのは鋼材を熱してから急速に冷ますと、構造が変化する(強くなる)という特性を利用した処理方法のことで、焼鈍しや焼戻し(やきもどし)も焼入れに付随した処理です。

簡単に書くと焼入れした鋼材を焼鈍しすることで、曲げられるようになります。焼鈍したままだと弱いので、真っ直ぐにした後は再度焼き入れして、油に漬けて冷やします。水でもいいのですがサビが怖いので油にしています(ミシン油とかでOK)。これで再び焼き入れが完了。何本かまとめて作業したら、最後は逆さにしたアイロン(熱い面は上を向くように置く)の上に並べて焼き戻しします。刃物じゃないので焼戻しをしないでもいいかなーとも思いますが、焼き戻すと靭性が出る(折れにくくなる)ので、念のためやってます。

アイロンの温度は一番熱くして、1時間程度放置(火事にならないよう対策は万全に!)したら、電源を切って後は自然に冷えるのを待ちます。まぁ、機会があったら動画でも撮ってみますが、たぶん需要ないでしょう(笑)。

というわけで、ジャングルワイドギャップの加工前と加工後(2種類)、大きさ比較用にTMC811Sと並べてみました。

これをどういうフライに使っているかというと、大阪の和氣さん考案のステゴザウルス(↓)に使ってたり、私家版ビーストにも使っています。

ステゴザウルスは作るのに時間がかかりますが、独特の引き波を生み出せるので使っていてかなり楽しいです(キャストするのがまぁまぁキツイですが……)。

後はスイムベイトの名作、ジャバロンをオマージュしたこちら(↓)。通称エビフライ。モチーフはコノシロなんですけど、大きさ、ボリューム感がエビフライ。そのうち茶色に塗ってみようと思ってます。


アクションの参考動画はこちら(音が出ます。ご注意を!)
ま、実際水中ではこんなに動きませんが……ねらいはそこじゃないので、自分的には全然OKと思ってます。問題は強度不足なところで、秋のコノシロシーズンまでに改良を考えなければ!(笑)

 

ジャングルワイドギャップ以外にもワームフックで良さげなのがいくつかあるので、最後はそれらを紹介します。

がまかつ ゼオライズSWG-H

#7/0と8/0があります。4本入りで450円。スピア部(ハリの先端部分)がやや短いのが気になりますが、あんまり関係ないかな?

がまかつ ワーム316

#1〜6/0までありますが、ビッグストリーマー的には#6/0一択でしょう。4本入りで400円。画像は昔のやつなのでまだ300円でした。

リューギ インフィニブルータル

フライフィッシャーマン的には聞きなじみのないブランド名だと思いますが、母体はささめ針なので品質はお墨付き。ブルータルは#7/0と8/0の2種類。3本入りで#7/0が550円、#8/0は600円とお高めながら、計算された形状に信頼を置くユーザーが多いです(ワームフックとしての場合ね)。

オーナー ツイストロックビースト

オフセットタイプのワームフックじゃないですが、#4/0、6/0、8/0、10/0、12/0という規格外のラインナップが、理性を失ったフライフィッシャーマンを虜にする(のか?)。ロック用のワイヤーパーツを取り外すか、生かすかはタイヤーの発想力次第。タテアイなのもうまく利用できれば面白いかも。価格は600〜800円(#4/0〜8/0までは3本入り、#10/0と#12/0は2本入り……だったはず。メーカーHPに記載ないのですみません)

 

まぁ、大体こんな感じで。そろそろ浜名湖が恋しくなってきました。今年はクロダイ以外にも挑戦してみるつもりです。

それでは、また!